財務諸表

貸借対照表とは?会社の財政状態はここで見よう!

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今回は、財務諸表のメインとなる財務三票のうちの一つ「貸借対照表」についてご紹介していきます。

貸借対照表とは

貸借対照表(英:Balance sheet、略称B/S)は、企業のある一定時点における資産、負債、純資産の状態を表すために複式簿記と呼ばれる手法により損益計算書などと同時に作成され、その企業の株主、債権者その他利害関係者に経営状態に関する情報を提供する。また、株式会社では官報、新聞、あるいはインターネット上での決算公告が義務付けられており、損益計算書とともに公告される。一般的に、開業時、決算時、清算時に作成されるほか、月次で作成されることもある。決算前に、中間貸借対照表を作成する場合もある。

 

上記にもあるように、貸借対照表とは、主に決算日時点での会社財産の状態について資産の部・負債の部・純資産の部という3つの箱に分けて表示されているものです。

 

これは、資産の部に当てはまる会社資産が、負債の部(他人から集めたお金=他人資本)と純資産の部(自社で集めたお金=自己資本)によって調達されたことを表す構成となっています。

 

貸借対照表の構成については上記のように3つの箱に分かれていることがわかりました。

次からは、この3つの箱についてもう少し詳しくご紹介していきます。

 

資産の部とは

先ほど、資産の部は会社の財産の状況を表していると言いました。

 

資産の部には、現金や棚卸資産・備品などがありますが、それぞれの性質から更に3つに分類されています。

 

流動資産

流動資産は、1年以内に現金化できるもののことを言い、主に以下の勘定科目が主に該当します。

 

現金及び預金

現金及び預金は、実際の国内通過や外国通貨、他人振出小切手や配当金領収書などの「現金」と、普通預金や当座預金などの「預金」の合計です。

仕訳例:ボールペン300円を現金で購入した。

(借) 消耗品 300円 / (貸) 現金 300円

 

受取手形

受取手形は、会社の取引によって入手した手形のことで、「約束手形」と「裏書手形」の2種類があります。

仕訳例:商品500円を売上げ、対価として約束手形500円分を受け取った。

(借) 受取手形 500円 / (貸) 売上高 500円

 

売掛金

売掛金は、相互信用している会社同士の取引によって、先に商品を渡し代金は後日回収をする後払い(掛け取引)で使用される科目です。

商品を引き渡してから回収するまで「売掛金」として貸借対照表の資産の部に計上します。

仕訳例①:商品500円を掛けで売り上げた。

(借) 売掛金 500円 / (貸) 売上高 500円

仕訳例②:①で生じた掛け金額500円が振り込まれた。

(借) 預金 500円 / (貸) 売掛金 500円

 

商品

商品は、販売目的で仕入れた商品のことです。

仕訳例:販売目的の商品300円分を現金で支払った。

(借) 商品 300円 / (貸) 現金 300円

 

前払費用

前払費用は、火災保険などの将来費用になるものを先に支払う契約から生じる科目です。

先に払った分、その費用が発生する時まで資産として計上し、徐々に費用に振替えていきます。

仕訳例①:来月から開始する火災保険1年分12,000円分現金で支払った。費用は月ごとに振り替える。

(借) 前払費用 12,000円 / (貸) 現金 12,000円

仕訳例②:①の代金を支払って翌月末となったため、1ヶ月分費用に振り替える。

(借) 支払保険料 1,000円 / (貸) 前払費用 1,000円

 

短期貸付金

短期貸付金は、1年以内に返される資金を貸し付けた時に発生する科目です。

仕訳例:貸付期間1年の資金300,000円を貸し付けた。

(借) 短期貸付金 300,000円 / (貸) 預金 300,000円

 

未収入金

未収入金は、既にサービスの提供を受けているにも関わらず、支払いがまだされていないものに対して使う科目です。

仕訳例:決算日現在、上記貸付金30万円に対して1,200円の未収利息があった。

(借) 未収入金 1,200円 / (貸) 受取利息 1,200円

 

固定資産

 

固定資産とは、流動資産のようにすぐに現金化することができないもののことを言い、有形物であるか、無形物であるかでも表示を区別する必要があります。

科目で言うと、下記のようなものです。

 

建物

建物は、会社自体の建物や工場などの建物を資産として計上するための科目です。

仕訳例:自社の営業所が完成し、5,000万円支払った。

(借) 建物 50,000,000円 / (貸) 預金 50,000,000円

 

構築物

構築物は、事業を目的として所有している土地や借地の上にある建物以外のコンクリート路面や花壇、煙突などに使う科目です。

仕訳例:自社敷地内に花壇を作り、諸費用含め50万円支払った。

(借) 構築物 500,000円 / (貸) 預金 500,000円

 

工具器具及び備品

工具器具及び備品は、その名のとおり工具や備品のことを指しますが、耐用年数が1年以上でかつ取得原価が10万円以上のものである場合に使用します。(これに当てはまらなければ「消耗品」として費用処理)

仕訳例:事業で使用するため、12万円のデスクトップパソコンを購入した。

(借) 工具器具及び備品 120,000円 / (貸) 預金 120,000円

 

車両運搬具

車両運搬具は、社用車など会社内で利用することを目的をした車両を計上するために使用する科目です。

仕訳例:社用車として利用する車両を150万円で購入した。

(借) 車両運搬具 1,500,000円 / (貸) 預金 1,500,000円

 

土地

土地は、その名のとおり所有している土地代を計上する科目です。

仕訳例:営業所を建てるため、土地を250万円で購入した。

(借) 土地 2,500,000円 / (貸) 預金 2,500,000円

 

建設仮勘定

建設仮勘定は、建物の建設中に発生した支出を建物が完成するまでに一時的に計上するための科目です。

仕訳例:建物を建設中、これに関連する追加設計料100万円を支払った。

(借) 建設仮勘定 1,000,000円 / (貸) 預金 1,000,000円

 

ソフトウェア

ソフトウェアとは、コンピュータを機能させるために使用するソフトを計上するための科目です。

仕訳例:経理システムのソフトウェアを150万円で購入した。

(借) ソフトウェア 1,500,000円 / (貸) 預金 1,500,000円

 

投資その他の資産

投資その他の資産は最初の2つとは異なり、投資目的として保有する有価証券や関連会社の株式や、既に支払いが終わった一部の費用を売上などの収益に対応する時期まで経過的に資産の部に計上されているものを示します。

具体的には、以下の勘定科目を使用します。

 

投資有価証券

投資有価証券とは、売買目的ではなく、1年以上の長期保有をすることによって配当などを受け取ったり売却をしたりと投資目的で所有する株式や公社債・投資信託を計上する科目です。

仕訳例:投資目的ので株式を60万円分取得した。

(借) 投資有価証券 600,000円 / (貸) 預金 600,000円

 

関係会社株式

関係会社株式とは、その会社の子会社または関連会社等の株式を資産として計上する際に使用する科目です。

仕訳例:子会社株式120万円分取得した。

(借) 関係会社株式 1,200,000円 / (貸) 預金 1,200,000円

 

長期貸付金

長期貸付金は、1年以上先に返される資金を貸し付けた時に発生する科目です。

仕訳例:貸付期間3年の資金300,000円を貸し付けた。

(借) 長期貸付金 300,000円 / (貸) 預金 300,000円

 

長期前払費用

長期前払費用は、1年以上分の火災保険などの将来費用になるものを先に支払う契約から生じる科目です。

仕訳例:来月から開始する火災保険3年分36,000円分現金で支払った。

(借) 前払費用 12,000円 / (貸) 現金 36,000円

(借) 長期前払費用 24,000円

 

負債の部とは

負債の部は、別名他人資本とも言われ、企業が経営を行っていく上で取引先や銀行、従業員などに支払いや返済しなければならない負債・債務が属します。

負債の部は、主に2つに分かれています。

 

流動負債

流動負債は、流動資産と対応しており、1年以内の短期で支払しなければならない勘定科目が含まれます。

 

買掛金

買掛金は、相互信用している会社同士の取引によって、先に商品を渡し代金は後日支払いをする後払い(掛け取引)で使用される科目です。

商品を受け取ってから支払いをするまで「買掛金」として貸借対照表の負債の部に計上します。

仕訳例①:商品500円を掛けで仕入れた。

(借) 仕入高 500円 / (貸) 買掛金 500円

仕訳例②:①で生じた掛け金額500円を支払った。

(借) 買掛金 500円 / (貸) 預金 500円

 

短期借入金

短期借入金は、1年以内に返される資金を銀行などから借り入れた時に発生する科目です。

仕訳例:借入期間1年の資金300,000円を借入れた。

(借) 預金 300,000円 / (貸) 短期借入金 300,000円

 

未払金

未払金とは、通常の営業活動以外の取引きで支払日が到来していないの際に使用する科目です。固定資産の購入や、水道光熱費や人件費などの販売費及び一般管理費を計上する際に使用されます。

仕訳例:業務用PC30万円分購入したが、代金は翌月末払いである。

(借) 工具器具及び備品 300,000円 / (貸) 未払金 300,000円

 

未払費用

未払費用は、既にサービスの提供を受けているにも関わらず、支払日が到来していないため支払いをしていないものに対して使う科目です。

仕訳例:決算日現在、短期借入金30万円に対して1,200円の未払利息があった。

(借) 支払利息 1,200円 / (貸) 未払費用 1,200円

 

未払法人税等

未払法人税等とは、決算で確定した法人税住民税事業税等の未納を処理するための科目です。

仕訳例:決算により法人税の支払額120万円が確定した。

(借) 法人税等 1,200,000円 / (貸) 未払法人税等 1,200,000円

 

預り金

預り金とは、役員や従業員の給与から天引きした本人負担分の社会保険料や所得税や住民税を計上する際に使用する科目です。

仕訳例:給与計算により、給与手当200万円中、従業員等から預かる社会保険料、所得税及び住民税の合計は50万円である。

(借)  給与手当 2,000,000円 / (貸) 預金 1,500,000

/ (貸) 預り金 500,000円

 

賞与引当金

賞与引当金とは、当期に含まれる支払対象期間分を積み立てる際に使用する科目です。

仕訳例:賞与対象分として、60万円分設定した。

(借) 賞与引当金繰入 600,000円 / (貸) 賞与引当金 600,000円

 

固定負債

固定負債は、長期的に返済・支払いしなければならないものが該当し、以下のような勘定科目が使われています。

 

社債

社債とは、一般的な事業会社が発行をする債券のことを指します。社債を発行することで企業は長期の資金調達をします。

仕訳例:社債100万円分を98万円で発行し預金へ入金した。

(借) 預金 980,000円 / (貸) 社債 1,000,000円

(借) 社債発行差金 20,000円 /

 

長期借入金

長期借入金は、1年より先に返す資金を銀行などから借り入れた時に発生する科目です。

仕訳例:借入期間3年の資金300,000円を借入れた。

(借) 預金 300,000円 / (貸) 長期借入金 300,000円

 

退職給付引当金

退職給付引当金とは、従業員が退職をした時に支払う退職金を積み立てるために使用する科目です。

仕訳例:退職給付引当金30万円分を積み立てた。

(借) 退職給付費用 300,000円 / (貸) 退職給付引当金 300,000円

 

純資産の部とは

純資産の部は、株式を発行して投資家から集めた資金や他の科目になじまないものの2つに分かれています。

 

株主資本の部

株主資本の部は、負債の部と対照的に自社で株式を発行して投資家からお金を集めたり、経営を行った結果生み出された利益が集まった科目があり、主に以下が利用されています。

 

資本金

資本金とは、会社を設立する際に出資者から払込を受けた資金のうち、会社法によって定められた金額を計上する科目です。

仕訳例:会社と設立するため、出資者から受け入れた300万円を資本金として計上した。

(借) 預金 3,000,000円 / (貸) 資本金 3,000,000円

 

資本剰余金

資本剰余金とは、資本取引から生じた剰余金を計上するために使用する科目です。

仕訳例:会社と設立するため、出資者から受け入れた300万円のうち1/2を資本金として計上した。

(借) 預金 3,000,000円 / (貸) 資本金 1,500,000円

/ (貸) 資本剰余金 1,500,000円

 

利益剰余金

利益剰余金とは、損益取引によって生じた剰余金に対して使用する科目で、主に「利益準備金」と「その他利益剰余金」に細分される。

仕訳例:株主への配当として100万円の配当を行うに当たり、この金額の1/10を利益剰余金として積み立てた。

(借) その他利益剰余金 1,100,000円 / (貸) 未払配当金 1,000,000円

/ (貸) 利益準備金 100,000円

 

自己株式

自己株式とは、自社で発行した株式を自分で取得した場合に計上される場合に使用する科目です。

仕訳例:自己株式50万円を取得し、預金から支払った。

(借) 自己株式 500,000円 / (貸) 預金 500,000円

 

評価・換算差額等、その他

評価・換算差額等は、時価評価したものが当期の損益に計上することが好ましくない場合にこちらに表記されることとされています。

また、貸借対照表のどの場所にもなじまないものも純資産の部として置かれています。

 

その他有価証券評価差額金

その他有価証券評価差額金とは、その他有価証券を期末に時価評価をして発生した差額を損益としない場合に計上するための科目です。

仕訳例①:期末にその他有価証券100万分を時価120万円で評価した。

(借) 投資有価証券 200,000円 / (貸) その他有価証券評価差額金 200,000円

仕訳例②:期末に評価したその他有価証券120万分を取得時の100万円に振り戻した。

(借) その他有価証券評価差額金 200,000円 / (貸) 投資有価証券 200,000円

 

その他の科目としては、次のものがよくあります。

 

新株予約権

新株予約権とは、あらかじめ決められた時期に決められた価格でその会社の株式を取得することができる権利のことを示す科目です。

仕訳例:新株予約権を10万円分発行し、預金で振り込まれた。

(借) 預金 100,000円 / (貸) 新株予約権 100,000円

 

まとめ

貸借対照表では、一定期日の企業資産が、どのような資金調達手段によって構成されているかを示しています。

 

資産の部は会社財産の役割。

 

負債の部、純資産の部は資金調達の手段の役割。

 

各分類ごとに約割があって、これを果たすことによって必ず貸借一致をするという素敵な諸表です。

 

ついつい損益計算書での一定期間の売上や利益に目が行くことが多いですが、貸借対照表についても中身をよく見て気づきを得ていきたいところです。

 

 

 

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