こんにちは!
ドンキは2018年11月にアピタやピアゴの会社であるユニー株式会社の株式を40%取得。
更に2019年1月に同株式60%を取得したことから完全子会社となりました。
また、2019年2月には㈱ドン・キホーテから㈱パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下PPIH)へと商号変更をし、2018年度の小売業売り上げランキングではイオン・セブン&アイ・ファーストリテイリング・ヤマダ電機について第5位に位置づけています。

拡大をし続けているPPIHは、今期ついに売上高一兆円超えを達成しました!
ユニー子会社化とドンキの拡大からどのような数字の動きをしているのか、財務分析をしていきたいと思います。

◇目次◇
PPIH(旧ドンキ)の財務諸表
下記は、2019年6月期の㈱PPIHの決算短信から抜粋したものです。





ユニーの合併やドンキの拡大による影響から、前期と比較して今期はほとんどの項目が大きくなっています。
PPIH(旧ドンキ)の安全性分析
安全性分析では、流動比率・固定比率・自己資本比率についてみていきます。

PPIHの流動比率
流動比率 | |
2019年6月期 | 146.9% |
2018年6月期 | 137.7% |
支払手形及び買掛金や社債・未払金など流動負債が前期の約2倍となっていますが、現金及び預金や割賦売掛金・商品及び製品などの増加から流動資産も2倍以上に膨れ上がっています。
ともに大きく膨れていることから、比率自体は前期と大きく変わっていませんが、10%近くは安全性が増していると考えられます。
PPIHの固定比率
固定比率 | |
2019年6月期 | 221.3% |
2018年6月期 | 182.5% |
固定比率については、目安の100%を倍以上超えています。
前期も大きく目安を乞えているですが、今期はユニーの完全子会社化などから更に有形固定資産の金額が増しています。
また、今期の固定長期適合率では83.2%となっており長期借入金や社債の金額によって固定資産が賄われていると考えられ、ある程度計画的に増やされていると予想できます。
PPIHの自己資本比率
自己資本比率 | |
2019年6月期 | 25.8% |
2018年6月期 | 36.0% |
自己資本比率については、高いほどよいのですが合併や利益による伸び以上に上記の固定負債の増加が大きいことから、割合が減ってしまっています。
PPIH(旧ドンキ)の効率性分析
効率性分析では、棚卸資産回転日数と総資産回転数についてみていきます。

PPIHの棚卸資産回転日数
棚卸資産回転日数 | |
2019年6月期 | 71.8日 |
2018年6月期 | 71.1日 |
棚卸資産回転日数については売上原価で計算しています。こちらについては小売でありユニー等の完全子会社化もありながら前期とほとんど変わりありません。
PPIHの総資産回転数
総資産回転数 | |
2019年6月期 | 1.04回転 |
2018年6月期 | 1.17回転 |
総資産回転数については、目安の1回転を超えているため効率的に経営ができていると判断できそうです。
PPIH(旧ドンキ)の収益性分析
収益性分析では、売上高利益率と自己資本利益率(ROE)についてみていきます。

PPIHの売上高利益率
売上総利益率 | 営業利益率 | 経常利益率 | 当期純利益率 | |
2019年6月期 | 27.9% | 4.7% | 5.1% | 3.6% |
2018年6月期 | 25.9% | 5.5% | 6.1% | 3.9% |
各利益率については、売上総利益率以外前期を下回っていますがユニー子会社化などから一時的にこのようになってのではないかと予測します。
ドンキも含め、不採算事業の撤退や新店の出店などから来期以降伸ばしていってほしいですね。
ちなみに下記はPPIHの2019年6月期決算連結業績説明資料から抜粋したものですが、販管費の割合が少しずつ増えていることから、営業利益率以降が下回っていることがよくわかります。(金額ベースではもちろん軒並み増えています。)

PPIHの自己資本利益率
ROE | 売上高利益率 | 総資産回転数 | 財務レバレッジ | |
2019年6月期 | 15.6% | 3.6% | 1.04回転 | 361.7% |
2018年6月期 | 13.3% | 3.9% | 1.17回転 | 258.2% |
ROEについては、国内目安の8%も海外目安の10%も超えています。レバレッジを使って効率的に経営をしていると考えられます。
PPIH(旧ドンキ)の成長性分析
成長性分析では、総資産伸び率と売上高伸び率についてみていきます。
ユニーの子会社化をしているため、ほとんど全ての項目で伸びているように見えるため、参考程度に。

PPIHの総資産伸び率
総資産伸び率 | |
2019年6月期 | 58.5% |
2018年6月期 | 25.5% |
総資産については、ユニーの子会社化もあることから6割ほど伸びています。子会社化したことによる来期の伸びに期待したいですね。
PPIHの売上高伸び率
売上高伸び率 | |
2019年6月期 | 41.1% |
2018年6月期 | 13.6% |
売上高についてもユニー子会社化から4割も伸びています。
来期の目標であった売上一兆円超えの達成ですが、ユニーの子会社化があったからでは?と疑問にも思いましたが、下記の決算短信資料を見ると、ユニーを含む総合スーパー事業を含まずとも一兆円を達成していることがわかります。

(2019年6月期㈱PPIH決算短信から抜粋)
仮に子会社化がなくても当時の本業のみで目標達成しているところからして、今後も伸びていくことが規定できそうです。
PPIH(旧ドンキ)についてまとめ
前期と比較しても、色々と大きく拡大をしていっているのが伺えます。
来期あたりには、ヤマダ電機を抜いて小売業の売り上げランキングをまたひとつあげているのかななんて思えるほどです。
計画的に負債も返済しつつ、健全な財務基盤をしっかりと築きあげて巨大企業へと進化していってほしいですね。
最後まで読んでいただきまして、ありがとうございました!
[vkExUnit_ad area=after]